機材・設定

撮影には Panasonic LUMIX G9 PRO を使用し、レンズには Panasonic H-FS100300(100-300mm F4.0-5.6) を選択。
本レンズはマイクロフォーサーズ規格であるため、35mm判換算で200-600mm相当の焦点域を持つことになる。この換算2倍の特性は、広い撮影エリアを持つ関西国際空港において、離れた位置からでも航空機のディテールに迫れるという大きな強みとなった。

特に望遠端600mm相当では、滑走路の最端部やタキシング中の機体の細部まで追い込むことができ、飛行機写真に求められる“迫力・圧縮効果・遠距離対応力”を一本の軽量ズームで満たすことができた。

設定は M(マニュアル)モード を基調とし、絞りを主軸とした“絞り優先的運用”により、背景の海や空を柔らかくまとめつつ、機体の立体感とラインを際立たせる描写を意識した。


撮影意図・表現

今回のテーマは「飛行機」。
海上空港である関西国際空港の開放的な視界を活かし、空と機体の関係を中心にフレーミングした。中でも600mm相当の望遠効果は、背景を大きく圧縮しつつ機体を浮かび上がらせる描写に有効であり、上昇・旋回・タッチダウン前後の瞬間に“動きの緊張感”を持たせることができた。

背景を単にぼかすのではなく、風景との距離を演出要素として取り込み、海・ターミナル・滑走路といった要素が“航空機のステージ”として見えるように整理している。


総評

100-300mm(換算200-600mm)の焦点域は、航空撮影において非常に強力である。APS-Cやフルサイズでは大柄になりがちな600mmクラスを、比較的軽量なシステムで扱える点はマイクロフォーサーズならではの利点といえる。

特に本撮影では、

  • 離陸・上昇の迫力を遠距離から捉える
  • アプローチ中の主翼の反り・金属反射を切り取る
  • 背景圧縮を活かし機体と空港景観を一体化させる

といった表現に寄与し、G9 PRO の高解像力と相まって、機体の質感や空気の透明感を立体的に描写することができた。

今後も「光・速度・風」が交差する瞬間を捉え、AQUARIUS Photographらしい視点で航空写真の表現を追求していきたい。

最後の2枚は、南海電鉄8300系(空港急行・なんばゆき)、50000系(特急ラピートα・なんばゆき)